[ホンジュラス]セラヤ氏帰国後の情勢

テグシガルパでの抗議行動 (写真:Honduras Resists)

テグシガルパでの抗議行動 (写真:Honduras Resists)

ホンジュラスのクーデター首謀者のロベルト・ミチェレッティは、当初、マヌエル・セラヤ大統領がホンジュラスに帰ってきていることを否定し、大統領の帰国を報じていたメディアに対して、「メディアテロリズム」と非難した。クーデター政権は、諜報部門を通じてセラヤ大統領がニカラグアの首都マナグアのホテルにいると信じていたようだ。

しかし、セラヤ大統領は、綿密な計画の下、国境地域の厳重な警備をかいくぐり、エルサルバドル側から密かに入国し、ホンジュラスの主権が及ばないブラジル大使館へ入った。

当初、国連施設内に入っているのではないかと報道されていたが、セラヤ大統領がブラジル大使館を選んだことについて、ジャーナリストのアル・ジオダーノ氏は、中南米最大の空軍を持つブラジルの主権を侵すことはほぼ考えられないと指摘している。

何千人ものセラヤ大統領支持者がブラジル大使館を囲む中、クーデター政権は、大使館とその周辺を意図的に停電させた。しかし、ラディオ・グロボは、放送中に発電機を持ってくるようリスナーに呼びかけ、電力産業の労働組合の委員長が組合員技術者を送ると約束した。そして、約30分後に大使館の電力が回復したという。

クーデター政権は、また外出禁止令を出して人びとを押さえ込もうとしたが、反クーデターの人びとはこれを無視した。元々、外出禁止の開始時刻が月曜日の午後4時という人びとが仕事から家に帰ることもできない時間に設定したところをみても、クーデター政権の慌てぶりが窺える。

火曜日早朝、クーデター政権は、強硬手段に出て、大使館周辺に集まっていた人びとに対して催涙ガスやゴム弾を発射した。地元病院の報告によると、24人が負傷したという。また、別の場所では、火曜日の朝8時ごろ、人権団体であるCOFADEH(行方不明者と拉致被害者の家族メンバー)の事務所に、国家警察が窓から催涙ガス弾を撃ち込んだ。サンペドロスーラのラスカリナス地区では、火曜日午後、軍に対して「クーデター屋、裏切り者」と叫んでいた16歳の少年が撃ち殺された。

外出禁止令は、更に火曜日午後6時から翌朝6時まで引き延ばされた。

ミチェレッティは、ブラジル政府に対してセラヤ大統領をブラジルに亡命させるか、またはクーデター政府に引き渡すか要求しており、最高裁判所もブラジル大使館に侵入する法的措置を探っている模様。一方、ブラジル政府は、国連安全保障理事会にホンジュラスのクーデターに関しての緊急会議を開くよう文書で要求している。大使館への水や食料、電話回線、電力を遮断することは重大な問題であり、安保理は、水曜日の朝、ホンジュラス問題について会議を開くようだ。現在の安保理メンバーは、常任理事国の中国、フランス、イギリス、ロシア、米国と非常任理事国のブルキナファソ、コスタリカ、クロアチア、リビアとベトナムである。9月の議長国は、米国である。

クーデター政府の横暴に対して、抵抗運動を行なっている人びとは、もう既に学校を休校してストライキを始めている教職員組合を先頭に、ゼネストを開始した。そして、人びとはホンジュラス全土から首都へ終結している。また、現憲法の第3条で保障されている反乱の権利を既に行使しているところもあるようだ。テグシガルパ首都区のバリオやコロニア)で、住民が外出禁止令にもかかわらず国家警察を地域から追い出し、バリケードを築いてクーデターに対抗している。

抗議行動に集まった人びと (写真:Honduras Resists)

抗議行動に集まった人びと (写真:Honduras Resists)

抵抗運動を行なっているテグシガルパ首都区内の地域:
Arturo Quesada
Barrio Morazán
Centroamérica Oeste
Cerro Grande
Ciudad Lempira
Colonia 21 de Febrero
Colonia 21 de Octubre
El Bosque
El Chile
Flor del Campo
Hato de Enmedio
Kennedy
La Fraternidad
Pantanal
Pedregal
Picachito
Reparto
Residencial Girasoles
Residencial Honduras
San José de la Vega
Sinaí
Víctor F. Ardón
Villa Olímpica
Villanueva

そして、以下のホンジュラスの地域でも反乱が起こっている。
Guadalupe carney
Tocoa
Colon
Trujillo
Tela
Triunfo de la Cruz
San Juan Tela
Cortez
San Pedro Sula
Progreso
Choloma
Santa bárbara
Copan
Lempira
Intibuca
La Esperanza
La Paz
Marcala
Comayagua
Siguatepeque
El Zamorano
Paraiso
Tegusigalpa
Comayaguela
Choluteca
Zacate Grande

ジオダーノ氏は、セラヤ大統領帰還の影響について、大統領自身が危険を冒して帰国したことにより、抵抗運動を続けている人びとの中に、大統領が危険を犯しているのだから自分もという気概が生まれるだろうと自身のブログの中で分析している。また、月曜日、米国のラジオ局KPFAのニュース番組「Flashpoints」のインタビューの中で、クーデター政権内部、そして米国政府もいつ勝ち馬に乗り換えるかを判断しようとしていると語った。

参考資料リンク:
Flashpoints
The Field on the Narcosphere (記事1, 記事2)
Honduras Oye! (記事1, 記事2)

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