[ハイチ]サルコジ訪問とデモ

ジャーナリストで映像作家のケビン・ピナ氏のこの記事は、大手メディアが報道を拒否する、あるいは過小に伝える(デモ参加者の人数を数百人と報道するなど)現在のハイチの状況を見たままに伝えている。また、フランスのハイチへの歴史的かかわりについても触れているので、そういった面をもっと知りたいこのブログの読者にも役立つのではないかと思う。

サルコジ仏大統領がヘリコプターで到着する中、返還と補償を求めるデモ参加者

怒りのデモ参加者、サルコジに支払いとアリスティドのハイチ帰還を要求

by ケビン・ピナ

ハイチ、ポルトープランス(HIP)
水曜日、ニコラス・サルコジ仏大統領が地震で崩壊した首都ポルトープランスを見て回る中、何千人もの追放された大統領のジャン=ベルトラン・アリスティドの支持者が街頭へ繰り出した。サルコジのヘリコプターがハイチの地震によって損害を受けた大統領府近くに着陸した時、追放された大統領の写真を掲げながら、支持者らはフランスに対して210.億ドル以上の返還と賠償の支払いとアリスティドの帰還を繰り返し叫んだ。彼らの要求は、独立承認の代わりにフランス人奴隷主に対して新生ハイチが支払わされた補償についての長年の論争と2004年のアリスティド追放におけるフランスの役割に起因する。

2010年2月17日、追放されたジャン=ベルトラン・アリスティド大統領を支持して写真を見せるデモ参加者。

ハイチの貧困層の間で幅広い人気を維持するアリスティドは、はじめ、2003年4月に返還と賠償の問題を取り上げた。アリスティド政権は、元奴隷主への補償として9千万ゴールドフランをハイチに支払わせた1825年に締結された合意が、ハイチの経済発展を著しく損なわせたと主張した。債務には、巨大な利息も含まれており、1947年の最後の支払いまで122年かかった。利息とアフリカから誘拐され、ハイチのフランスプランテーションで強制労働させられた何百万もの奴隷の未払いの労働に対する賠償を含めて、ハイチの債務の総額は、210億ドル以上になったと、政府は算出した。アリスティド政権は、国際舞台でこの問題を押し出し、一方ハイチでは「我々は補償と返還を求める。フランスよ、私のお金を払ってくれ、216億8512万571ドル48セント。」と述べるコマーシャルを一日数回流した。

アリスティドは、その10ヵ月後の2004年2月29日、クーデターで国を追放され、元フランス植民地の中央アフリカ共和国へ飛ばされた。クーデターの筋書きの主な著者は、ジョージ・W・ブッシュ政権であるとまだ見られているが、ハイチの人びとは、反アリスティド運動を支援したフランスの役割とアリスティドの辞任要求をけっして忘れていない。

アリスティドが飛行機に乗せられ、亡命を余儀なくされる数週間前、ジャック・シラク仏大統領の政府は、アリスティドの辞任を要求するためにベロニク・アルバネル(Véronique Albanel)とレジス・デブレイ(Régis Debray)を派遣した。追放から1年後、作家クロード・リベ(Claude Ribbe)とのインタビューで、アリスティドは「その二人のフランスの人物は、大統領府へ来てそう私に要求した。それは既に知られている。脅迫に根拠はなかった、彼らは明白で率直だった。善良なハイチ人は、礼儀正しいが、しかし私たちは尊重されるよう要求し、そして私たちは尊重と尊厳で返した。脅迫は明白で率直だった、辞任するか[殺されるか]もしれない!」と語った。

ジャン=ベルトラン・アリスティド支持者は、救済と復興努力を助けるためアリスティドの帰還を呼びかける。

ハイチの首都の崩壊ツアーを前に、ハイチ高官への演説の中で、サルコジ仏大統領は、緊急支援、復興基金、そしてハイチ政府の運営予算支援で4億ドルを提示した。これは、少し前のフランスの7700万ドルのハイチの債務帳消し決定への追加だった。

ラバラス動員委員会のメンバーでこのデモの主催者の一人であるポーレット・ジョセフ(Paulette Joseph)は、「我々国民の多くが亡くなり、現在更に大きな苦痛の中で生活させる恐ろしい地震の後の、この難しい時期にフランスの支援をハイチの人びとへサルコジが届けに来たことは素晴らしい。」と応じた。ジョセフは、「しかし4億7700万ドルは、地震以前にフランスがハイチに与えた損害に比べれば微々たる物だ。奴隷主に我々の独立を認めさせるために払わされたハイチの債務により、ここ危機の前から私たちは貧困で苦しんでいた。我々の国がこの危機に対処する備えがなく、私たちが地震後にもっと苦しんでいるとすれば、それは債務の直接の結果だ。」と続けた。

レネ・プレバル・ハイチ大統領は、追放されたジャン=ベルトラン・アリスティド大統領の帰還を許可するようデモ参加者が要求した後、群衆に背を向けて立ち去った。

サルコジ訪問に続き、ハイチの破壊された政府の席の前の芝生でプレバル・ハイチ大統領が珍しく姿を見せたとき、デモ参加者らは、「我々にはアリスティドの帰還が必要だ!」と叫んだ。プレバルが群衆に背を向けて固い警護の中彼の高級ジープへ引き揚げた時、アリスティドの写真を振りながら、彼らはまたこう繰り返し叫び始めた、「もしアリスティドがここにいたなら、彼は我々とともに苦しんでいただろう!」

この記事と写真は、著作権で保護されています。

記事原文URL: http://www.haitiaction.net/News/HIP/2_18_10/2_18_10.html

©2010 Haiti Information Project
All photos ©2010 HIP/Kevin Pina

(注:フランス語の人名の日本語表記が正確でないかもしれません。訂正があれば、コメント欄へ書き込んでください。)

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