エクアドルでクーデター?

2010年10月12日
文・クリスティン・ブリッカー

9月30日、およそ1千人のエクアドル国家警察官は、ボーナスや他の保障を廃止する新法への抗議で街頭へ繰り出し、主要交差点を閉鎖、公共の場を占拠した。

抗議行動に参加した警官は、4万2千人の警官隊のごく一部を代表していたが、事態は急激に手に負えなくなった。少数の下部層の空軍兵士が空港を閉鎖し、警察が議会を占拠、そして彼らは混成特殊部隊がコレアを救出するまで、大統領を病院の中に10時間以上人質とした。

警察の反乱は、伝えられているところによるとある一定の賞与を廃止し、多くの公務員を早期退職に追い込むエクアドルの公共部門の合理化を目的とした公共奉仕法の特定の部分の改定にコレアが個別条項拒否権を使用した後に始まった。大統領の個別条項拒否権は、国の2008年憲法の下で規定され、大統領は議会決定を覆すのによく使っている。

エドウィン・ベドジャ・エクアドル統一労働階級連合団体(CEDOCUT)副議長によると、議会が当初承認した公共奉仕法は、コレアのアリアンサPAIS党と公務員の間の協議で作成された。「しかし、大統領が合意を拒否権を行使し、ある特定の労働者の権利を削除していたのを第2回投票で我々は目撃した。」とベドジャは述べた。アリアンサPAISの議員の一部も含め、議会がコレアによる法律の変更を妨げた時、大統領は、公共奉仕法の大統領案を通過させるために、議会を解散する権利を使うと脅した。

しかし、コレアや他の人びとが強調しているように、その後に続く暴動は、突発的反乱ではなかった。まだ人質に捕られている時、コレアは、「これは、反対派、そして軍隊と警察のある特定のグループによって進められたクーデターの企てだ。」と断言した。昨年、ホンジュラスでの左派のマヌエル・セラヤ大統領に対するクーデターの成功に、いまだ動揺した多くのラテンアメリカの人びとは、次はコレアではないかと恐れた。その他の人びとは、不安を「クーデター」と呼ぶのは誇張である、またあるいはコレアが自らの人気と政治力を増すために自らを誘拐したとさえ論じた

しかし、抗議行動は、少なくともエクアドルの4つの州で起こり、それらの突発性に疑問符が投げかけられた。そしてコレアが指摘したように、抗議行動は、「空港の・・・閉鎖と連動し、(国営テレビ局の)中継アンテナへの攻撃、(政府所有の)エクアドルTVのスタジオへの侵入」と警察の議会占領と連携されていた。

更にコレアを解放した作戦中、スト参加の警察のビデオ映像は、明らかに警察が射殺しようとしていたことを見せた。コレアは、メディアに対して、病院から彼を連れ出した装甲車両は、複数回銃撃されたと語った。

警察がコレアを人質に捕った一方、ルシオ・ギテレス元エクアドル大統領(声高のコレア批判者)は、亡命中のブラジルからインタビューに答えて警察の反乱をクーデターと歓迎した。「コレアの専制の終焉は、手中にある。」と述べ、「議会の解散」と「大統領選挙前倒し」を呼びかけた。コレア支持者から批判者になったアルベルト・アコスタ元議会議長は、「元兵士や元警官、ルシオの政党の脂肪分を形成するまさにその人びと」が複数の都市の兵営で目撃されたと報告した。警察が短期間、議会を占拠した時、ギテレスの愛国社会党党員の議員は自由に出入りし、一方他政党の議員は「入るのが困難であった」とアコスタは付け加えた。

コレアと警官隊の統制失敗後に辞任したフレディ・マルティネス前国家警察長官は、外部の扇動者が警察を侵入し、公共奉仕法の中の緊縮政策について警察を誤った方向に導き、反乱をけしかけたと論じた。エクアドルの労働者、先住民団体は、しかしより微妙な路線をとっている。警察の反乱が起こったのは、エクアドルの右翼が、コレアの疎外的統治スタイルによって生み出された弱点を利用しているからだと彼らは論じる。彼らは、いかなるクーデターの企てにも反対し、憲法上の秩序が尊重されることを要求したが、社会運動内の本来の味方を追いやり、右派からの攻撃からコレア自身を脆弱にしていることでコレアを非難もした。

エクアドルで最も大きい先住民組織4団体の共同声明は、「企てられたクーデターの一部を形成する秘密のやり方の右翼の行動」を拒否し、メンバーに対して「警戒し、動員の用意をしておく」よう呼びかけた。しかし、声明は、多国籍鉱業、石油、農業関連産業会社に対する動員へのコレア政権による暴力的弾圧を批判した。諸組織は、「こんにち放たれた社会的危機は、法制化の過程における専制的性質と対話への消極性によっても引き起こされた。(社会分野と)協議された法律がどのように共和国大統領によって拒否権が発動されたかを、我々は見ている・・・。このシナリオは、保守層を養育する。」と論じた。

労働者リーダーのベドジャは、9月30日、CEDOCUTが全部門に憲法上の秩序を回復するために街頭へ出るよう呼びかけたと言う。しかし、エクアドルの先住民組織と同様に、彼の団体のコレア擁護を次のように見なした、「我々は、現在起こっていることへの非難の一部は、社会分野との協議を受け入れないことにあると確かに信じている。」

コレアとともにアリアンサPAISを共同設立したアコスタは、これに呼応した。「大統領とその政府は、どのように対話するか知らない」と彼は述べた。「彼らは、議員たち自身の区分の基準を尊重することさえなしに、彼らの法律を押し付けた。」

更に悪いことに、クーデター当日に議論された先住民組織を、コレア政府は、ちょうど右翼政府がやっているように弾圧している。「批判と多国籍鉱業、石油、農業関連産業会社に対する地域の動員と直面して、政府は、対話を生み出す代わりに、暴力と弾圧で対応する・・・。この種の政治が引き起こす唯一のものは、右派に余地を与え不安定化の余地を作り出すことである。」とCONAIE、ECUARUNARI、CONFENIAEとCONAICEは書いた。

ベドジャ、この分析を共有する、「もちろん右派はこれを利用する、そして国家警察と軍という最も強力な部門を利用し、不満を撒き散らし始める・・・しかし政府の行動がそれを可能にしている。」

アコスタは、彼の昔の味方が警察の反乱から学ぶことを望む。「歴史は、コレア大統領にもう一度革命過程の起源に再びなじみ、修正する機会を与えている。」

「市民の革命は、すべての人びと、労働者の権利、組織の集団的権利に対する尊重を課し、そして社会分野の最小一致点へ到達するための対話を作り出すために。」

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クリスティン・ベッカーは、NACLA(North American Congress on Latin Americaラテンアメリカの研究員である。

The North American Congress on Latin America (NACLA)・・・ラテンアメリカに関する北米会議は、1966年に設立された独立した非営利組織であり、ラテンアメリカとカリブ海の国々と人民が弾圧と不正義から自由となり、相互尊重と経済的、政治的従属からの自由を基本としたアメリカ合衆国との関係を享受する世界へ向かって活動する組織である。(NACLAウェブサイトより)

Source: NACLA
Translation by Caracas Café

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